アトピー性皮膚炎は炎症性皮膚疾患の一つで、痒みや赤み、そして皮膚の乾燥といった症状を引き起こします。標準的な治療法は、ステロイドや免疫抑制剤などの薬物を用いて症状を抑えることが中心となります。しかし、これらはあくまで症状を緩和するもので、根本的な原因を解決するものではありません。
機能性医学の視点からは、アトピー性皮膚炎の治療は体全体のバランスを見つめ直すことから始まります。例えば、食事や腸内環境の改善、ストレス管理、そして環境因子の考慮などが、それぞれの患者に合わせて評価・調整されます。
特に注目すべき点として、腸管カンジダ症や有害重金属の蓄積が、アトピー性皮膚炎の症状を引き起こすか、または悪化させる可能性があります。これらは腸内フローラの乱れや免疫反応の異常を引き起こし、皮膚炎症を促進します。そのため、これらの要因を適切に管理することで、アトピー性皮膚炎の根本的な改善が期待できます。
このような機能性医学のアプローチは、一時的な症状緩和だけでなく、患者の体全体の健康状態を向上させ、長期的な健康を促進することを目指しています。皮膚の問題は、体の内側からのメッセージでもあります。私たちは、そのメッセージを正確に読み解き、それぞれの患者さんの健康回復へと導くお手伝いを致します。
執筆者プロフィール
医療法人全人会理事長、総合内科専門医、医学博士。京都大学医学部卒業。天理よろづ相談所病院、京都大学附属病院消化器内科勤務を経て、2013年大阪市北区中津にて小西統合医療内科を開院。2018年9月より医療法人全人会を設立。