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[コラム] 起立性調節障害、サーカディアンリズム障害の男児の治療経験

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中学3年生の男児が、朝が起きれなくなり、学校にも全く行けなくなったということで当院を受診されたのは、2年前の3月のことでした。
小児科を受診し、重症の起立性調節障害と診断されたということですが、確立した治療方法はないと言われ、血圧を上げる薬や漢方を処方されていました。しかし、一向に症状は改善せず、昼夜も逆転傾向がみられるということで、ネットを色々と調べられた結果、当院にたどり着いてくださいました。

これまでにも何度も書いてきたことですが、通常の病院では起立性調節障害は「自律神経の病気」という名札がつけられ、その途端に、「治す方法はないから様子を見るしかない」と判断されてしまいます。

そして、「自律神経のバランスが崩れている原因はなんなのか?」という疑問に対しては全く答えることができません。
当院で、自律神経のバランスが崩れる原因を調べる検査を行ったところ、
① 重症のリーキーガット
② 腸管カンジダ症
③ 腸管免疫力の低下
④ 水銀などの有害金属の体内蓄積
などの異常が見つかりました。

そして、2年半が過ぎ、かなり体調も良くなり、高校を卒業した後は、自分のしたいことができるように専門学校に進む準備ができるようになりました。
ここまで元気になるのに、2年半かかったことになります。
当院で行う治療は、体の根本のバランスを整えるという方法で、決して即効性がある治療ではありません。特に、彼の場合は、腸内環境がかなり悪く、カンジダ菌の除菌や重金属の治療にも時間がかかりました。

特に彼の場合は、体調が整ってきてからもなかなか昼夜逆転の睡眠リズムが整わず、生活リズムを整えるのに数々のアドバイスもさせてもらいました。


普通であれば、このような即効性のない治療を2年も3年も続けること自体、とても忍耐力が必要なことだと思います。しかし、結局は根本的に体を整えていかなければ、いつまでも本質的に良くなることがないのです。

今回、私を信頼してくださり、忍耐強く治療を続けてくださったご父兄から治療を振り返って感想を書いてくださいました。決して、すべての患者さんで同じような治療効果が出るということを保証するものではありませんが、同じような症状を持つお子様をお持ちの方には参考になると思われるので、ここに引用します。

ご父兄からの体験談

『息子は中学3年の1学期の途中から徐々に登校できなくなり、秋の修学旅行に無理して行ったあとは全く登校できなくなりました。

それまでは小学校時代から皆勤賞をいただくくらい休まず登校していましたが、中学3年のある日「今日だけどうしても休ませて」と言い、休んだら次の日は行けていたのが、だんだん連日お休みするようになりました。

どうしても身体が重くて動けないということで、、、何の病気かわかるまで随分時間がかかってしまいました。

「起立制調節障害」という病名は聞いたことがありましたが、なかなか理解が出来ず、

「気持ち次第ではないか」

「なんとかがんばれないか」

というような今思えば間違った声掛けをしておりました。

学校の先生方も同じで、

「修学旅行に来れたのになぜ登校できないのか」

というようなことを息子に言っていたようです。

が、この病気は

「行きたくても行けない」

「がんばりたくてもがんばれない」

ので、本人にはとてもつらい思いをさせていたと思います。

結局頑張って受験をして入った中学でしたが高校には上がらず、通信制高校へ行くことを本人が希望して、親も承諾しました。

通信制といっても近くのサポート校には登校可能で毎年の宿泊行事がスクーリングという正式な登校日にあたるのですが、これには行けるだろうと思っていました。

が、真面目な性格の息子は最後までがんばって夜中の起きていられる時間に中学の課題をこなしたりしていたので、結局無理をし続けたことでどんどん体調が悪化し、高校は入学式の日もサポート校への登校もい行けませんでした。

「起立制調節障害」には特効薬などなく、内科を受診して処方される「血圧を上げる薬 」と、「気分を上げる漢方薬」は全く効果を感じられず、、、親としては何とか治してやりたいと色々調べて、この病気が治るとうたっている整体や心の病ではと精神科にも連れて行きましたが、調子が悪くなるばかりで途方にくれているところで、小西統合医療に出会いました。

今までとは全く違うアプローチで、この病気に対峙していること、診療がオンラインのため、とにかく外へ出るのもひと苦労だった息子には合っていることなどから、こちらで治療を始めてみようと思いました。

最初は血液や尿を採取して特殊な検査が出来る医療機関に送ったり、大量のサプリメントを購入するということ、更には自費診療の部分が多く、毎月高額になることなど、戸惑いもありましたが、親としてはもうそれまでに出来ることは全てしてきたので、「病気を治すためにやれることがあるなら、何でもしてやりたい」思いでした。

病気になり、自己肯定感が極端に下がってしまった息子は、何も欲しがらず、外出も出来ないので服や靴もいらなくなり、他にお金をかけてやれることもないので、「治るのなら」とがんばりました。

体質改善のためにと食事療法を勧められた病院もありましたが、それでなくてもつらい日々を送っている息子に苦手なものを食べさせ続けるのはかわいそうにも思えましたし、取りたい栄養分が入ったサプリメントや水に溶かして飲むタンパク質などの栄養素はどんなに不味くても息子は嫌がらず毎日継続してくれました。

思ったよりも時間はかかってしまいましたが、昼夜逆転は1年半くらいで調整出来てきて、昼間のだるさがとれるのに更にそこから1年くらいかかり、今は高校3年になり、来春からの進路に向けて「4月からはとにかく毎日学校に行く」ことを目標に日々「体力づくり」や「社会に慣れていくこと」をがんばっている日々です。

息子は大学受験をするなら、1年後かなと思っていましたが、たまたまご縁のあった専門学校で「やりたいこと」を見つけることが出来たので、その準備期間として必要な学びなどを少しずつ始めていて、親も引き続き全力応援中です。

体調的に、専門学校は大学よりも「毎日朝からの授業に出ないとだめ」というところがありますので、選択肢から外していましたが、高校主催の進路説明会や体験授業を受けた時に息子の目に久しぶりに光がさして、「ここに通いたい」と強い意志を持ったので、小西先生にも相談させていただきました。

息子はやはり体調的に専門学校は厳しくて例えば「チーム制作などでクラスメイトに迷惑をかけるかも、、、」「4月からも毎日登校できるかわからない」とAOエントリーを戸惑っていましたが、オンライン診療時に小西先生から、「できるかどうかより、やりたいかどうかを優先したらいいよ」とアドバイスいただき、入試に向かう決心がつきました。

とはいえやはり専門学校側は「通える」ことが前提なので、面接時には今の体調の状況を正直に伝えつつも意欲を示すことが必要で、何度も練習をしました。

人気の学科でエントリーもギリギリのタイミングでしたので、ヒヤヒヤしましたが、なんとか合格をいただきホッとしております。

この病気はなかなかすっきりと完治しない場合もあるようですので、まだまだ安心は出来ませんが、小西先生を信じて腸内環境の改善のためのデトックス治療なども我慢強く続けたことで、今に至りました。

何より「息子が信頼できるお医者様に出会えたこと」が一番の治療になったと思っております。

思ったよりも時間はかかってしまいましたが、人生に絶望していたような息子が、「やりたいこと」を見つけ、未来に希望を見出すまでになれたことは、親としても本当に安堵し、小西先生に感謝しております。

まだまだ経過観察は必要ですので、これからも色々とご相談にものっていただきながら、長い目で見守ってやるつもりです。

「何をしてもよくならない」と諦めずに日々病気に関する理解を深め、出来る限りストレスをかけず、納得した治療をコツコツ続けることがこの病気と向き合うには必要であったと今この3年を振り返って思いました。

子供の病気を理解して伴走してくださるお医者様に出会えたことは本当によかったと思います。』



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当院の診療・検査について

当院の診療や検査については、下記から詳細をご確認ください。当院では、外出が難しい方、遠方の方のために遠隔診療も行っております。

初診までに当院の治療方針について動画をあらかじめご覧いただき、不明な点は診察時に詳しく説明いたします。
>動画はこちらからご覧ください。



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