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起立性調節障害、サーカディアンリズム障害の男児の治療経験
中学3年生の男児が、朝が起きれなくなり、学校にも全く行けなくなったということで当院を受診されたのは、2年前の3月のことでした。小児科を受診し、重症の起立性調節障害と診断されたということですが、確立した治療方法はないと言われ、血圧を上げる薬や漢方を処方されていました。しかし、一向に症状は改善せず、昼夜も逆転傾向がみられるということで、ネットを色々と調べられた結果、当院にたどり着いてくださいました。 […]
遅延型フードアレルギー検査は行う意味があるのか?
最近、遅延型のフードアレルギーを調べる検査を行うクリニックが増えてきています。食物アレルギーには2種類あって、原因となる食材を食べて、すぐにアレルギー反応が起こる「即時型アレルギー」と、しばらくしてから(数時間後から場合によっては数日)症状が出てくる場合とがあります。 遅延型のアレルギー反応の場合以下の特徴があります。①原因となる食材を食べてから、症状が出るまでに時間がかかるので、なかなか気づかれ […]
過敏性腸症候群は治らないと、主治医から言われた!
ということで50歳代の女性が相談にみえられました。 便通は下痢になったり、便秘になったりして安定しません。しかも、食後にお腹が張って、食べれなくなるということでした。本来は一番楽しみであるはずなのに、食べることが憂鬱になるくらい調子が悪くなるということです。 私も消化器内科医なので、お気持ちはよくわかります。 ただ、消化器内科医の立場から見ると、過敏性腸症候群の患者さんの症状を聞くと、正直な話、次 […]
体に溜まった重金属に対して「キレーション治療」だけを行う危険性について
先日、PATMの患者さんの診察を行っている時のことです。 皮膚ガステストで、数種類の有機化学物質が排出されているので、これまでの経験からPATMの可能性がありますね、という話をしていました。 治療をどうするかと言う段になって、「実は、他の病院でキレーション治療を受けているんです」という話になりました。 しばらくは、患者さんのおっしゃっている内容がよく理解できませんでした。当院では、重金属の蓄積に対 […]
PATMと言う病態は本当に存在するのか?
私が最初にPATMの患者さんを診察してから、7−8年が過ぎました。 これまでは、「とんでも」の代表だと思われていた病態ですが、少しずつ認知される様になり、いくつかの病院では、PATMの患者さんの診察をしてくれるところも出てきている様です。 しかし、その一方では、「PATMは存在しない」みたいに、どこからその自信が出てくるのか分からないくらい、不可解な意見も相変わらずみられます。このように、「絶対あ […]
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の発症に重金属は関係するのか?
ALS(筋萎縮性側索硬化症)と重金属との関係について 先月、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方が診察に来られました。ご自身で色々と調べて、重金属が体に蓄積していることが原因の一つではないかと思われてのご相談でした。 有害重金属、特に水銀や鉛が体に蓄積すると体に慢性炎症を起こし、特に神経毒性が強いということがわかっています。それで、自分の病気に関係ないかと思われたのです。 私もALSやアルツハイマー病 […]
自己免疫疾患と慢性疲労症候群に共通する根本的原因とは?
先週は、10歳代の頃に1型糖尿病を発症し、その後慢性疲労症候群を発症したと言う40歳台の患者さんが診察に来られました。採血で様々な自己抗体が出ているということで、「自己免疫性慢性疲労症候群」と診断されているようです。 1型糖尿病自体も自己免疫性疾患なので、慢性疲労症候群も何らか自己免疫的な機序が疑われているということです。珍しい病態だということで、大学病院でもたくさんの検査を受けて来られたのですが […]
「食事制限をすれば本当の健康を手に入れることができるのか?」
近年、「小麦は摂取すべきではない」「小麦は体にとって毒だ」という情報が広まっています。しかし、全ての人に「小麦は健康に悪い」と一概に言えるわけではなく、科学的根拠に乏しい主張も多いため、そのような情報は慎重に扱うべきです。 確かに、小麦にはグルテンというタンパク質が含まれており、一部の人々にとっては健康問題を引き起こす可能性があります。特に、セリアック病、小麦アレルギー、非セリアックグルテン感受性 […]
アトピー性皮膚炎:機能性医学の視点から
アトピー性皮膚炎は炎症性皮膚疾患の一つで、痒みや赤み、そして皮膚の乾燥といった症状を引き起こします。標準的な治療法は、ステロイドや免疫抑制剤などの薬物を用いて症状を抑えることが中心となります。しかし、これらはあくまで症状を緩和するもので、根本的な原因を解決するものではありません。 機能性医学の視点からは、アトピー性皮膚炎の治療は体全体のバランスを見つめ直すことから始まります。例えば、食事や腸内環境 […]
化学物質過敏症と重金属の体内蓄積との関係について
前回の院長コラムでは、当院での体のバランスを整える治療で症状が改善した化学物質過敏症の方の体験談を掲載しました。何人かの方からお問合せをいただき、その関心の高さが伺われました。一方で、科学的にどれほど根拠があるのかと言うご質問もいただきました。 そこで今回は、現時点でどこまでのことがわかっているのかについて文献的に考察したので、ここに提示させていただきます。 化学物質過敏症(Mult […]