便総合分析検査とは
この検査は、便を調べることで、腸内に起こっている状況を直接的に知ることができます。
・善玉菌と悪玉菌とのバランスの乱れの状態
・寄生虫、酵母菌の有無
・消化酵素の分泌の状態
・腸管の炎症の有無
・腸管免疫の状態
などを知ることができます。
善玉菌と悪玉菌とのバランスの乱れの状態
腸内フローラのバランスを知ることができます。
善玉菌が減少して、悪玉菌が増加している場合、腸内環境が乱れている可能性を示します。
腸内フローラのバランスの乱れは、様々な不調の原因になります。

酵母菌の有無
便の培養検査、あるいは顕微鏡観察で酵母菌が排出されているかどうかを知ることができます。
通常は鞭虫に酵母菌が排出されることはないので、原虫に酵母菌が排出されている場合は、腸内環境のバランスが崩れている可能性が高いと考えます。
※便総合分析検査でも腸管カンジダ菌を調べることができますが、便検査によるカンジダ菌の陽性率は低い(2−30%程度)ため、カンジダ菌を調べるためには、「有機酸検査」が有効です。

消化酵素の分泌の状態、腸管の炎症の有無、腸管免疫の状態
腸内の消化機能、腸管の炎症の有無、腸管免疫のバランスを知ることができます。

腸内環境を調べる検査について
腸内環境を調べる検査としては、便総合分析検査の他には「遅延型フードアレルギー検査」があります。それぞれの検査で分かること、分からないことがあります。
腸内環境の状態を見る検査
便総合分析検査
直接的に腸管内で起こっている腸内細菌層の乱れ、消化酵素の分泌の低下、腸管の炎症、免疫の異常を見ることができる。
遅延型フードアレルギー検査
間接的に腸管内で起こった炎症を見ることができ、リーキーガットの程度を知ることができる。
遅延型フードアレルギー検査」が「腸管漏出症候群(リーキーガット)」の結果起こるフードアレルギーの状態(リーキーガットがどれほど重症かどうかの判定)を見ることができます。
それに対して、この「便総合分析検査」では、腸管漏出症候群(リーキーガット)の原因となる腸内環境の個別の要因を詳しく調べることができます。遅延型フードアレルギー検査だけでは分からない、原因を知ることができます。
その関係を図示したものが下の図です。

慢性的なストレスがかかると、腸内環境が悪化します。その個別の要因を知ることができるのが「便総合分析検査」です。腸内環境が悪化した結果、腸管の粘膜が損傷を受け、「リーキーガット」が起こります。
リーキーガット症候群は腸管の粘膜に隙間ができた状態で、その隙間からまだ十分に分解されていない食物の成分が体の中に漏れ出るわけです。その結果、漏れ出た食材にアレルギー反応を起こします。これが「遅延型フードアレルギー」です。
「遅延型アレルギー検査」の程度を見ることで、リーキガットの重症度を判定するというのが当院での方針です。