軽く見てはいけない低血糖症
食事をしたあとに、急激に眠気に襲われたりだるくなったことはありませんか?
しかしその食後のだるさを、すぐに病気に結び付けて考えることはあまり無いでしょう。ほとんどの場合、「急いで食べたからだるくなった」「暖かい部屋にいたから眠くなった」などの理由を付け、身体の異変に対しては無自覚でいると思います。
確かに本当に健康な人なら、その症状は一時的なものかも知れません。しかし慢性的に体調不良が続いている人や食後の倦怠感が毎回あるという人は、「低血糖症」を疑ってみる必要があります。
低血糖症の症状には、食後のだるさだけではなく発汗や頻脈・動悸、不安感やイライラなどがあります。どれも死に至るものではないので軽視されがちですが、頻繁に起こる場合は生活に支障が出てしまいます。
そしてその症状の陰には、身体全体に関わる大きな問題が隠れていることが多くあるのです。
低血糖症とは
低血糖症とは、機能性低血糖症とも呼ばれ、血糖値の変動が正常な範囲内で保てなくなった状態をいいます。
血糖は、血液中のブドウ糖のことをいい、私たちの体が働くための重要なエネルギー源です。
通常、血糖はホルモンによって、バランスよく調整されています。しかし、ホルモンの分泌バランスが乱れ、血糖の調節障害が起きている状態(血糖調節障害)が低血糖症です。
食後に一定の時間が経ったときに急激に感じる倦怠感やだるさでは、「ジェットコースター型」の低血糖が疑われます。
これは食事をした後に血糖を下げる機能がうまく働かず、通常以上に血糖が上昇することで引き起こされるものです。
では、どうして血糖を下げる機能が働かないのでしょうか。
それには、腸内環境が関係しています。人間の腸管からは「インクレチン」というホルモンが分泌されており、通常はこのホルモンが血糖をコントロールしています。
しかし腸管に炎症があると、このインクレチンがうまく働きません。さらに急激に上昇した血糖に対し、すい臓からは「インスリン」という血糖を下げるホルモンが過剰分泌されます。
そのため食後に急激に血糖が下がってしまい、立てないほどのめまいや倦怠感・異常な睡魔などに襲われてしまうのです。
低血糖症にはこの「ジェットコースター型」以外にも、慢性的に血糖が低いままの「無反応型」というタイプもあります。しかし急な体調不良に襲われる場合は、およそジェットコースター型であると言えるでしょう。
低血糖を正しく診断するために
低血糖症は体内ホルモンのバランスが崩れて起こるということ、またその原因は腸内環境にある可能性が高いことをお伝えしました。
しかし通常の病院で「低血糖症かも知れない」と言って検査を希望しても、残念ながら「その可能性は無い」と言われることが多いと思います。いまだ医療の現場では、腸管の炎症が引き起こすホルモンの乱れで血糖の機能障害が起きることは一般的な知識ではないからです。
当院では、低血糖症(血糖機能障害)が疑われる場合には「5時間糖負荷試験」という検査を行います。これは最初にブドウ糖を飲み、その後5時間に渡って血糖がどのように変化するかを調べるものです。
一般的な糖尿病の検査に用いる糖負荷検査は、2~3時間しか血糖変化を見ません。しかし、低血糖症の場合にはブドウ糖を飲んでから4~5時間目に低血糖を示すことが多いため、5時間糖負荷検査を受けなければ正しい診断はできないのです。
そして、低血糖症と診断された場合は食事に気を付ける必要があります。低血糖の症状が出そうになったら、少量の食事をとる、糖質の少ないものをゆっくりと食べる、などの対策を取ります。
ただしこれはあくまで低血糖で体調が悪くなってしまったときの対症療法です。まずは血糖コントロールができる正しい身体に戻せるよう、根本的な治療をすることをおすすめします。
低血糖症の根本的治療
体内ホルモンが血糖値を正常にコントロールできる身体にするためには、以下の病態を治す必要があります。
・副腎疲労
・腸内環境の乱れ(リーキーガット症候群)
・腸管カンジダ症
どれも腸内環境に関係し、放置すると低血糖症だけではなく身体の様々な不調を引きおこす症状です。
腸内環境は外から見ることができません。しかし健康を保つためのカギは腸内環境にあります。まずは低血糖症の検査で現状を把握し、並行して腸内環境を整えていくことで、食事後の体調不良を恐れずに生活できる身体を取り戻すことができるのです。
診療のご相談・受診予約について
受診の予約は、①電話での受付と②WEB予約による受付を行っております。病状や診療についてのご相談は、下欄の「ご相談・お問合せフォーム」よりお願いします。電話での相談は受け付けておりませんのでよろしくご了承ください。
当院では診療をご希望の場合は以下の2つの方法で診察が可能です。
- クリニックを直接受診する方法
- 遠隔診療(スカイプ、電話)を受ける方法
※当院での治療方針について説明した動画はこちらでご覧いただけます。
※診察の流れやFAQ(よくある質問)についてはこちらをご覧ください。
※当院での治療は基本的にはすべて自費診療(自由診療)となりますが、一部の検査は保険適応可能な場合もございます。具体的な事は診察時に説明いたします。
低血糖症に関する検査について
- 5時間糖負荷試験19,800円(税込)
- 副腎皮質ホルモンには血糖が下がりにくくする働きがあります。副腎疲労が重症化すると血糖が下がりやすくなり「機能性低血糖」を起こします。この検査は経時的に血糖とインスリンの変化を測定する事により「機能性低血糖」の診断を行います。検査の為には受診していただく必要があります。
19,800円(税込) - 唾液中コルチゾール(6回)+DHEA検査44,000円(税込)
- 副腎から分泌されるホルモンとしてコルチゾールと別にDHEAというホルモンがあります。DHEAは体内で代謝されて、男性(女性)ホルモンになります。副腎にストレスがかかり、DHEAホルモンの分泌が低下すると、性ホルモンのバランスが崩れます。特に、女性の場合は生理不順、生理痛、生理前症候群などの原因になります。これらの症状を伴う場合は唾液中DHEAを同時に測定されることをオススメします。ネット検査可。
44,000円(税込) - 唾液中コルチゾール(6回)+DHEA検査の詳細はこちら
- 検査の申し込みはこちら
- 遅延型フードアレルギー検査44,000円(税込)
- 腸管の粘膜が損傷して起こる腸管漏出症候群(リーキーガット症候群)により、食べ物が充分に分解される前に血液中に漏れ出る事により遅延型フードアレルギーが起こります。この検査は遅延型フードアレルギーの程度を見る事により、適切な食事指導を行います。ネット検査可。
44,000円(税込) - 遅延型フードアレルギー検査の詳細はこちら
- 検査の申し込みはこちら
- 有機酸尿測定48,400円(税込)
- 尿中の有機酸を測定する事によりカンジダ菌から分泌される様々な有機酸の他にミトコンドリア機能や身体のデトックス能力などを評価する事ができます。
この検査は尿中に含まれる様々な代謝産物を測定する事で身体の中のいろいろな化学反応が正常に働いているのかどうかを調べようと言うものです。ネット検査可。
48,400円(税込) - 有機酸尿測定の詳細はこちら
- 検査の申し込みはこちら