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副腎疲労症候群とは

朝が起きられない、日中に勉強や仕事をしていても疲れやすい。特に原因となるストレスがないのに気持ちが落ち込む。

そんな症状で困っておられませんか?

ストレスの多い現代社会で、このような症状で悩んでいる方が増えています。病院を受診しても特に異常は見られず、単に気のせいにされたり、あるいは精神的なストレスが原因として、精神科の受診を勧められたりすることが多いのです。

実は、過度のストレスが原因で、副腎が疲労している状態(副腎疲労)という病態があることが、最近分かってきました。「ストレス病」の原因として、副腎疲労が関係している可能性があります。


副腎の機能について

では、副腎疲労を起こす「副腎」とはどういう臓器なのでしょうか。

副腎は、腎臓の近くにあるとても小さな臓器で、様々なホルモンを分泌し、生体を維持している器官です。副腎からは別名ストレスホルモンと呼ばれる様々なホルモンが分泌され、ストレスに対する耐久力を高める働きをしてくれています。



しかしストレスが慢性化すると副腎が疲労し、十分な量のストレスホルモンが分泌できなくなってしまいます。その結果、身体はストレスの影響をそのまま受け、あちこちに不調が起こり始めるのです。

この状態が「副腎疲労」といわれるものです。


副腎機能低下症について

通常、副腎の機能が低下する状態としては「副腎機能低下症」があります。これは通常の病院でも診断され、別名「アジソン病」や「副腎不全」と言われます。

副腎機能低下症には先天性のものと、後天性のものとがあります。

先天性副腎機能低下症は先天的に副腎皮質ホルモンを作る合成酵素が欠損していたり、副腎皮質が低形成であったりして起こります。一方、後天性のものは結核などの感染症が原因で、自己免疫的な原因で副腎が機能しなくなるような病態があります。原因のはっきりしないものを「特発性副腎機能低下症」と言います。

いずれにしても、これらの副腎機能低下症は先天的、後天的原因で副腎から産生される副腎ホルモンが慢性的に低下している状態をさします。医学的には、これを「非可逆的変化」と言いますが、わかりやすくいうと、また副腎機能が正常に戻ることがないということです。

このような場合には、一生副腎ホルモンの製剤を内服し続けなければいけません。


副腎機能低下症と副腎疲労症候群との違いについて

副腎機能低下症が、慢性的に副腎からのホルモンを分泌することができない状態であるのに対して、「副腎疲労症候群」では、ストレスが原因で一時的に副腎が十分なホルモンを分泌できなくなっている状態です。原因となっているストレスが改善することで、副腎機能は回復してきます。

このように、また機能が回復することを医学的には「可逆的である」と言います。

つまり、副腎機能低下症が「非可逆的病変」であるのに対して、副腎疲労症候群は「可逆的病変」だということです。これまでは、副腎の機能低下症は一度起こってしまうと元に戻ることはないと信じられてきましたが、可逆的な病原があることがわかり、副腎機能低下症と区別する上で、副腎疲労という命名がつけられたのです。英語ではアドレナル・ファティーグ(Adrenal Fatigue)と言います。内分泌内科の専門医の先生でも「副腎疲労」という病態を知らない先生がまだまだ多いのが事実です。

参考文献: 「医者も知らないアドレナル・ファティーグ」


副腎疲労の症状

副腎が疲労すると次のような症状が起こってきます。

■副腎疲労の症状
・疲れやすい。何をするのも億劫になる。
・朝が起きれない。朝起きる時から疲れている。
・寝つきが悪くなる。熟睡感がない。
・集中力が低下する。物忘れが強い。
・新しいことをする気力が湧かない。
・生理痛、PMS(生理前症候群)
・気分が落ち込みやすい。やる気が起こらない。
・風邪をひきやすい。風邪をひくとなかなか治らない。

起立性調節障害」は中高生などの青少年が、朝が起きれなくなり、めまいや頭痛などの症状を訴える病態です。一般的には「自律神経のバランスが崩れたことで起こる」とされており、専門病院でも「大人になったら自然に治る」と言われることが多いです。

しかし、当院での経験では「起立性調節障害」と診断された青少年の中にも、詳しく検査を行ってみると、副腎疲労であることが確認されています。

一方、「慢性疲労症候群」は成人に起こる原因不明の慢性疲労症状を来す疾患です。ウイルス感染や脳内の炎症が原因であると考えられていますが、本当の原因はよくわかっていません。当院で慢性疲労症候群と考えられる患者さんの副腎機能を調べてみると、「副腎疲労」を認めることが実に多いことがわかりました。

つまり別の診断がつけられている場合でも慢性疲労症状がある場合は、実は副腎疲労が原因となっているケースがあるのです。
そのため慢性疲労症状があり、副腎疲労を疑ってみることも必要です。

チェックリストで3つ以上の項目が当てはまる場合にはご相談ください。


副腎疲労の原因について

副腎疲労の主な原因はストレスですが、現代社会で一切ストレスを受けずに生活することは不可能です。

また副腎を弱らせているのは、精神的なストレスだけではありません。多少のストレスを跳ね返せるはずの自己治癒力を弱らせ、副腎疲労に拍車をかけている原因があります。それは腸内環境の乱れです。

副腎疲労をさらに悪化させているものに、以下のような症状があります。
・腸管の炎症から起きる「リーキーガット症候群
腸管カンジダ症
体内の重金属蓄積
・環境汚染物質や有害物質の体内蓄積

本来は健康な腸で解決できるこれらの症状が慢性化していると、副腎疲労の改善は見込めません。

また上記の症状と副腎疲労が同時に起きていることもよくあり、その場合はアトピー性皮膚炎や小児ぜんそくなどのアレルギー疾患、起立性調節障害、慢性疲労症候群などの「原因不明」と診断されがちな病気の原因となっていることも多いのです。


副腎疲労とコルチゾールの関係性

副腎疲労は、副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが低下して起こります。コルチゾールは、炭水化物、脂肪、たんぱく代謝を制御する生体にとって重要なホルモンです。

コルチゾールの分泌量は、1日のうちで大きく変動します。通常の場合、コルチゾールは朝に高値を示し、午後から徐々に低下します。ホルモンのバランスが崩れることで、この正常バターンが乱れてきます。

コルチゾールは血液検査で行われることが多いですが、実際に生理活性を有するホルモンは唾液中で測定する必要があります。当院では、副腎疲労を調べる検査として、「唾液中コルチゾール検査」を行っています。


副腎機能正常例


副腎機能低下例

副腎機能低下がある場合、最初に朝のコルチゾール分泌量が減少します。


副腎機能過剰反応例

通常に比べて、過剰にコルチゾールが分泌されている場合があります。これは、過剰なストレスが体にかかっていることを意味しています。過剰にストレスがかかった状態が長期間続くことで副腎疲労が起こる場合があります。

例に示したように、夕方にコルチゾールが過剰に分泌されている場合、低血糖症(血糖調節障害)が関係している場合があります。


副腎疲労の治療

副腎疲労は、自力では治しにくい病気です。まず慢性的な体調不良や心身の異常があっても、「副腎疲労かも知れない」と自分で思い当たることはなかなかできません。

そのため当院ではまず「副腎疲労チェックリスト」で副腎の疲労度を測り、当てはまる項目が多い場合は、「唾液中コルチゾール検査」を行います。検査で副腎疲労が疑われる場合は、副腎疲労に対しての治療を行うと同時に、副腎疲労を起こしている原因を調べる必要があります。

副腎疲労の原因として、「リーキーガット症候群」「腸管カンジダ症」「体内の重金属蓄積」がある場合は、それに対しての治療を進めることで、副腎疲労を回復させる環境を整えます。

副腎疲労があると、言いようのない不安感や倦怠感に襲われます。また朝のだるさや食欲・性欲不振、何ごとにも意欲的に取り組めなくなるなど、生活先般に大きな支障が出てしまいます。

その状態を何とかしようとカフェインを摂ったりする人もいますが、そのようなことは単なる対症療法に過ぎません。

まずはストレスに負けない副腎を取り戻すこと、そのために副腎の回復をしっかり支えられるように原因に対しての治療を行うことが大切です。


診療のご相談・受診予約について

受診の予約は、①電話での受付と②WEB予約による受付を行っております。病状や診療についてのご相談は、下欄の「ご相談・お問合せフォーム」よりお願いします。電話での相談は受け付けておりませんのでよろしくご了承ください。

当院では診療をご希望の場合は以下の2つの方法で診察が可能です。

  • クリニックを直接受診する方法
  • 遠隔診療(スカイプ、電話)を受ける方法

※診察の流れやFAQ(よくある質問)についてはこちらをご覧ください。


※当院での治療は基本的にはすべて自費診療(自由診療)となりますが、一部の検査は保険適応可能な場合もございます。具体的な事は診察時に説明いたします。


副腎疲労に関する検査について

唾液中コルチゾール(6回)+DHEA検査44,000円(税込)
副腎から分泌されるホルモンとしてコルチゾールと別にDHEAというホルモンがあります。DHEAは体内で代謝されて、男性(女性)ホルモンになります。副腎にストレスがかかり、DHEAホルモンの分泌が低下すると、性ホルモンのバランスが崩れます。特に、女性の場合は生理不順、生理痛、生理前症候群などの原因になります。これらの症状を伴う場合は唾液中DHEAを同時に測定されることをオススメします。ネット検査可。

44,000円(税込)
唾液中コルチゾール(6回)+DHEA検査の詳細はこちら
検査の申し込みはこちら
遅延型フードアレルギー検査44,000円(税込)
腸管の粘膜が損傷して起こる腸管漏出症候群(リーキーガット症候群)により、食べ物が充分に分解される前に血液中に漏れ出る事により遅延型フードアレルギーが起こります。この検査は遅延型フードアレルギーの程度を見る事により、適切な食事指導を行います。ネット検査可。
44,000円(税込)
遅延型フードアレルギー検査の詳細はこちら
検査の申し込みはこちら
毛髪重金属検査29,700円(税込)
毛髪内の重金属を調べる事で、体内にある重金属がどの程度蓄積しているかを知るスクリーニング検査になります。ネット検査可。
29,700円(税込)
毛髪重金属検査の詳細はこちら
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有機酸尿測定48,400円(税込)※検査説明代金を含む
尿中の有機酸を測定する事によりカンジダ菌から分泌される様々な有機酸の他にミトコンドリア機能や身体のデトックス能力などを評価する事ができます。
この検査は尿中に含まれる様々な代謝産物を測定する事で身体の中のいろいろな化学反応が正常に働いているのかどうかを調べようと言うものです。ネット検査可。
48,400円(税込)※検査説明代金を含む
有機酸尿測定の詳細はこちら
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