HOME » 自己治癒力を高める医療 » 【第15話】自己治癒力を高めるための治療指針
自己治癒力を高めるための治療指針
これまでお話ししてきた自己治癒力を高めるための治療指針について、もう一度まとめてみていきましょう。
自己治癒力の低下はミトコンドリア機能が低下することで起こるわけですから、まずミトコンドリア機能を高めてやることが重要です。これが自己治癒力を高めるための主軸となる治療なのです。そしてその中身は今までお話ししてきたように、腸内環境から肝臓のデトックス力を高めることまで、きちっと身体の状態に応じて行うことが重要です。更に副腎機能がどうなっているのかということを知り、もし副腎機能が低下しているようであれば副腎をサポートしてやることも重要です。
次に当院で行っている治療の全過程をみていきましょう。
当院を受診されてまず行うことは腸内環境がどのような状態になっているかということです。
そのために遅発型フードアレルギー検査や便総合分析検査を行うことがあります
。この検査結果に基づいてまず腸内環境を整える治療から開始し、ある程度整った時点で次のカンジダ菌の除菌治療を始めます。
腸内環境が十分整っていない段階でいきなりカンジダ菌の除菌を行うと、大量に増殖したカンジダ菌が一度に死滅してしまうため、死滅反応あるいはダイオフ現象と言われる重篤な副作用を起こすことがあります。
そのためにまずカンジダ菌の除菌を行う前にはカンジダ菌有機酸検査を行ってどの程度カンジダ菌が体に悪いことをしているのかということを知ることが重要です。カンジダ菌の除菌がある程度進むと次の段階として重金属のキレーション治療というものを行っていきます。
身体の中に蓄積した重金属がカンジダ菌と同様にミトコンドリア機能を低下させるわけですから、これらの治療を行うことが非常に重要です。
治療を行う前にはオリゴスキャン検査、毛髪重金属検査、尿中重金属排泄試験などの検査を複数行うことによって、身体の中の重金属がどのような状態になっているのかということを正確に知ることが重要です。
重金属のキレーション治療を行うことにより、身体の中でうまく回っていなかった歯車が回り始めます。
ある程度治療が進んだ段階で、次に細胞の中に溜まっている重金属を排出するデトックス治療を行っていくことになります。キレーション治療とデトックス治療をうまく組み合わせて治療することにより身体のバランスを一層整えるサポートになるわけです。
これらのデトックス治療を行う前には、まず身体のデトックス力がどれほどバランスが崩れているのかいないのかということを知るために、環境汚染物質検査あるいは有機酸検査を行うことができます。
これが現在小西統合医療内科で行っている自己治癒力を高めるための治療の全体の流れです。
- 【第1話】自己治癒力を高める医療とは?
- 【第2話】自然治癒力の低下とミトコンドリア機能
- 【第3話】腸内環境とリーキーガット症候群
- 【第4話】リーキーガット症候群の治療
- 【第5話】遅延型フードアレルギーの意味
- 【第6話】腸内環境と便総合分析検査
- 【第7話】腸管のデトックス機能について
- 【第8話】デトックス機能の低下と自己治癒力
- 【第9話】重金属の蓄積を評価する
- 【第10話】重金属の治療について
- 【第11話】環境汚染物質検査
- 【第12話】腸管カンジダ症
- 【第13話】ここまでの話のまとめ
- 【第14話】ミトコンドリア機能低下と副腎機能
- 【第15話】自己治癒力を高めるための治療指針
- 【第16話】当院を受診される患者さんへ