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遅発型フードアレルギーの意味
この遅発型フードアレルギーの臨床的な意味についてお話ししましょう。
何回もお話ししてますように、この遅発型フードアレルギーやリーキーガット症候群は腸内環境が乱れ、腸内細菌叢のバランスが崩れたことが原因で起こるわけです。ですからこの検査自体は腸内環境がどれだけ乱れているのかどうかということを知る手掛かりになるわけです。
さらにこの遅発型フードアレルギーの程度を見ることによって、リーキーガット症候群の程度、どれほど腸内粘膜が、腸管粘膜が乱れているのかということを知ることができるわけです。
この遅発型フードアレルギー検査は非常に優れた検査であるわけですが、限界もあります。
つまり、どのような食材を食べて良いとか悪いとかを判定することはできないと、単純にアレルギー反応が強く出ているからその食材をやめなさいということではないわけですね。そのアレルギー反応が強い食材が、その患者さんが苦しんでいる症状とどれだけ関係性があるかどうかというのはきちっとチェックしないといけないということです。
アレルギー反応が強くてもその患者さんの症状とは全く関係ない場合もあるわけですから、アレルギー反応のあることが患者さんの症状の原因であるとは限らないということです。
では遅発型フードアレルギー検査の意義としてはどういったものがあるでしょうか。
1つは、リーキーガット症候群の重症度を判定する指標になります。つまり、遅発型フードアレルギーの程度が強いものほど腸管粘膜が傷んでいる程度が強いということが予想されます。ですから、それなりに強い反応がある場合にはそれなりに強い治療を行っていかないといけないということです。
また治療前後でこの検査を行うことによって、どれだけ有効な治療がちゃんと行えているのかどうか、リーキーガット症候群の治療効果の判定を行うことができるわけです。
このように遅発型フードアレルギー検査は臨床的に非常に有効ですが、その限界と意味をきっちり理解した上で治療に役立てていく必要があります。
- 【第1話】自己治癒力を高める医療とは?
- 【第2話】自然治癒力の低下とミトコンドリア機能
- 【第3話】腸内環境とリーキーガット症候群
- 【第4話】リーキーガット症候群の治療
- 【第5話】遅延型フードアレルギーの意味
- 【第6話】腸内環境と便総合分析検査
- 【第7話】腸管のデトックス機能について
- 【第8話】デトックス機能の低下と自己治癒力
- 【第9話】重金属の蓄積を評価する
- 【第10話】重金属の治療について
- 【第11話】環境汚染物質検査
- 【第12話】腸管カンジダ症
- 【第13話】ここまでの話のまとめ
- 【第14話】ミトコンドリア機能低下と副腎機能
- 【第15話】自己治癒力を高めるための治療指針
- 【第16話】当院を受診される患者さんへ